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イオンの検出(3)

シングルイオンのカウントでは、イオン/電子変換率の違いは電流測定の場合ほど精度に大きく影響しません。ただし、カウント数が非常に大きい(>10)場合は、パルスの時間的な重なり合いによる非線形的なずれに留意する必要があります[14]。SEM 217、イオンカウンタプリアンプCP400、およびカウンタユニットIC 421のダブルパルス分解能は、トータルで約20 nsになります。
以下で、二次電子増倍管の感度および増幅率の決定方法について簡単な例を挙げて説明します。質量分析計(PrimaTM M2)にフランジ接続した真空チャンバに空気を導入します。空気を導入する前の全圧は8.2x10-6 Paで、空気を導入する前に記録した質量スペクトルは主成分が水であったことを示しています。C-SEMとファラデー検出器で測定した質量28のイオン電流の強度は、それぞれ3.5x10-8 A、2.1x10-12 Aでしたが、これは下記の考察では無視します。空気の導入後、全圧ptotは3.0x10-4 Paまで上昇し、図4に示すスペクトルが記録されました。

図4 同じ測定環境でのチャンネルトロン増倍管およびファラデーカップ検出器により検出されたスペクトル。


図5 スキャンスピードの違いによるXe同位体測定データ
コリメーションマグネット付きクロスビームイオンソース型分析管QMA400
ガス導入圧力:5E-4Pa

空気中の窒素の割合cN2は78.1 vol.-%(付録参照)なので、真空チャンバ内における窒素の分圧pN2は次のようになります。

自然分布では窒素の同位体15Nの割合が0.36%であるのに対し、同位体14Nは99.6%とはるかに量が多いため(付録参照)、ここでは質量数28についてのみ評価しています。
測定条件およびイオンソースの設定の下での質量分析計の感度は、次のようになります。

1100 VでのC-SEMの増幅率は、強度の比から簡単に求められます。

イオンの検出は統計的な作業です。イオンは不規則な間隔で検出器に衝突するため、一定の精度が要求される場合は、一定の数のイベントを測定する必要があります。イベント(記録されたイオン)の数をNとすると、系統誤差は〜1/√Nとなります。たとえば、1秒間に100個カウント(10-11〜10-12 Paの分圧に相当)とすると、1秒間の相対系統誤差は10%となります。質量分析計の感度が決まっている場合、この誤差を小さくするには測定回数を増やす以外にありません(図5)。

図5に示したアナログスキャンで設定されたスキャンデータ数は、64データ数/AMUです。

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