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1. 四重極質量分析計の基礎・原理

1.1 はじめに

質量分析を基にした各種測定法は、プロセスエンジニアリング、技術や製品の開発、医薬、 および基礎科学研究などのさまざまな分野において不可欠な分析手段となっています。


図1 全圧測定と比較した、質量選択測定法による検出。イオンは質量電荷比によって分離

主なアプリケーション:

▲ 自動車業界では生産ライン上の組立て部品の質量選択リークテスト
▲ プロセスガス組成や純度の定量分析
▲ 固体表面の触媒反応の複雑な分析
▲ 生化学物質の変化の調査

このような幅広い分野への応用を考えれば、過去数十年の間に粒子の質量分離のための数多くの物理的手法が開発され、成熟した実用的な計測機器に取り入れられてきたことも驚くべきことではありません。
これらの手法はそれぞれ大きく異なりますが、1つの共通した特徴があります。それは、質量分析計を使用するためには真空状態を生成する必要があり、多くのケースで異なる圧力範囲が必要になるという点です。逆に言えば、真空技術の発展に伴って、小型で高性能な質量分析計の必要性がますます高まりつつあるということです。
 
下にいくつかの例を示します。

▲ リーク検出
▲ 高真空システムの分圧測定
▲ 真空成膜プロセスにおけるガス組成のモニタ
▲ 真空エッチングにおけるエンドポイントの検出
▲ プラズマプロセスにおける中性粒子およびイオンの質量選別
▲ 真空システムコンポーネント材料のガス固有の離脱速度および吸着速度の測定
 
今日では、特にこれらの測定で主に四重極質量フィルタ(図2)が使用されます。これらの用途に特に適した四重極質量フィルタの特徴としては、マスレンジ全体のスキャンが簡単、高感度、測定および繰り返し周期が大きい、測定レンジが広い(最大で10桁)といったことが挙げられます。また、それ以外にも、省スペース設計、設置場所を選ばない、ガスの放出速度が低いなど、一般的な真空技術の要件にも合致しています。



図2 四重極質量分析計の動作原理

分圧測定用の四重極質量分析計は、原理的にはロッドシステムという装置を搭載したイオン化真空ゲージです。ロッドシステムは、イオン化プロセスで生成されたイオンをイオン検出器で測定する前に、質量電荷比に応じてイオンを種類別に分離させます。
イオンは、電場の半径r0の4本の電極ロッド間の高周波四重極電場で分離されます。
電極間の電圧は、高周波交流電圧Vcos ωtと、それに重ねて印加される直流電圧Uからなります。イオンは、図の面(フィールドアクシス方向)に直角な電場の軸方向(xまたはy軸方向)に捕捉されると、高周波の電場の影響を受けて電場の軸(フィールドアクシス方向)に対して直行面で振動します。特定の値のU、V、ω、およびr0の下では、特定の質量電荷比を持つイオンだけが分離場を通り抜けてイオン検出器に到達できます。それ以外の質量電荷比を持つイオンは、四重極電場によって排除され、イオン検出器には到達できません。
質量電荷比のスキャンは、周波数(m/e〜1/ω2)を変えるか、または電圧(m/e〜V)を変えることによって行いますが、ほとんどのケースでは技術的な理由から後者の方法が使用されます。それにより、簡単に線形の質量スケールが得られます。また、直流電圧成分Uと高周波成分の振幅Vとの比を変えることにより四重極質量分析計の分解能(Δm/m)を調整することも可能です。
ここで指摘しておくべき点は、質量分解能と感度のどちらを優先するかについて妥協点を見つけることが常に必要になるという事です。

各測定アプリケーションのための最適なシステム構築(図3)は、サンプルガス供給装置、減圧装置、質量分析システム、排気システム等、実績ある互いに適合した高性能なコンポーネントを組み合わせることによってのみ可能になります。



図3 ガス分析コンポーネント。関連する排気システムは2002-2004 Vacuum Technologyカタログをご参照ください。

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