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クロスビームイオンソース

オープン構造のクロスビームイオンソース(図6)は、ほとんどイオン化室の壁との衝突作用がないため指向性粒子線測定を可能にします。 粒子ビーム(ガスジェット)、電子ビーム、およびイオン引き込み方向は、互いに直行しています。熱損失の少ない特殊な「薄膜金属構造」により、 イオンソースの内部は200℃まで加熱されるため、蒸気の凝結は大部分防止できます。 クロスビームイオンソースは、イオン生成スペースの外側に2つのフィラメントが設置されているため、 高温のフィラメント表面での分析対象ガスの反応が抑制され、このような構造でありながら長期間の使用が可能です。 フィラメントの材質としては、タングステンのほかにレニウムや酸化イットリウムでコーティングしたイリジウムが使用されます。 ガス供給パイプと組み合わせて使用すると、分子ビームを使用した場合と同様の吸入条件が得られ、優れた信号/バックグラウンド比を実現できます。

図6 クロスビームイオンソース

したがって、クロスビームイオンソースは一般的な残留ガスの分析、腐食性あるいは凝結性の混合ガスの分析、分子ビームの測定、同位体分析といった分野に使用できます。 また、クロスビームイオンソースの改造により、特殊なアパーチャー構造にして材料フローモニターやサーマルコーティングプロセスにおけるソース制御にも利用できます。
このイオンソースは、レーザーによって生成されたイオンを検出する単純なイオントランスファーオプティクス(フィラメントはOFF)として使用することも可能な構造になっています。 マグネットを取り付けることによりイオンソース内で電子密度を高めることができ、イオンを効果的にロッドシステム内へフォーカスすることができます。 それにより、イオンソースの感度を大幅に向上させることが可能になります。電子の走行をガイドする磁石には、 大部分の電子を電子光学的な観点からはそれほど重要ではないイオン生成スペースの場所に入射させる効果もあります。

図7(次ページ)は、このイオンソースの特殊なバージョンを示したものです。 このバージョンは、とくにオリフィスまたはガス導入バルブを介してイオン化スペースに直接送られる高圧ガスの分析に適しています。 「ガスタイト構造」のイオンソースを使用することで、ガスの消費量を減らし(排気システムへの負荷は小さい)、 分析用真空チャンバ内の残留成分を少なくし、イオンソースの時定数をごく小さくすることができます。 このバージョンは、一般には極めて純度が高いガスのトレース分析、医療機関における呼吸の分析、および同位体の分析に利用されます。 ただし、イオンソース内面に成膜されてしまう危険が増す可能性があることに注意する必要があります。 これは、イオンソースのイオン生成スペースにおけるバキュームシステムの実効排気容量が小さいためです。 ガスタイト式クロスビームイオンソースのコンダクタンスは、窒素で約1l/sです。したがって、クロスビームイオンソースは、凝結性の高い混合ガスにはあまり向きません。 また、ガスタイト式イオンソースはクローズ構造であるため、<1x10-6mbarのガス分析には向きません。

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