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質量分離(1)

理想的なケースとして4本の双曲線電極の各双曲線頂点の分離場のr0に印加された高周波により形成された四重極場において、 イオンは質量電荷比として分離できます。商業的なアプリケーションではほとんどの場合に円筒状の電極が使用されます。 要求される品質の双曲線電場電極を製造することが技術的に困難であることが理由です。 ロッドの半径が分離場の半径r0の約1.144倍に等しくなるようにすると、理想的な四重極場に比較的近い四重極場が得られます。 四重極場に引き込まれたイオンの挙動を示す方程式は、Mathieuの微分方程式で表されます。 ここでは、関数の原理について現象学的に簡単に説明するにとどめます。

図1 質量電荷比によりイオン分離の原理


1. ロッド電極に直流電圧Uだけが印加した場合。
xz平面: 正イオンは電極のリペラーポテンシャルの作用を受け、検出器に到達します。
yz平面: 正イオンは最も近い電極に引き寄せられて中性化されるため、検出器には到達できません。
2. 振幅Vの高周波電圧が直流電圧に印加された電極に重畳された場合。
xz平面: Vの値が増加するにつれ、正イオンの発振振幅が大きくなると共に不安定になり、やがては中性化されます。
yz平面: Vの値が増するにつれ、正イオンの発振振幅が小さくなると共に安定になりやがては検出器に到達できます。
3. 質量電荷比Mに固定した場合:
xz平面: V<Vであれば、イオンは検出器に到達できます。
V>Vであれば、イオン透過は阻止されます。
yz平面: V<Vであれば、イオン透過は阻止されます。
V<Vであれば、イオンは検出器に到達できます。
4. U/Vの比が一定のとき:
xz平面: M<Mであれば、イオン透過は阻止されます。
M<Mであれば、イオンは検出器に到達できます。
yz平面: M<Mであれば、イオンは検出器に到達できます。
M<Mであれば、イオン透過は阻止されます。
5. U/V比が一定のとき、2つの平面の組合わせた場合のイオン電流i+
領域T:イオンはロッドシステムを通過できません。
領域III: イオンはロッドシステムを通過できません(yz平面)。
領域III: 質量数Mの透過係数はU/V比によって決まります。常に感度と分解能の間で妥協点を見つける必要があります(図1)。

領域IIのイオンの発振振幅は有限で、r未満に保たれます。その他のイオンはすべて排除されます。
安定に透過できるイオンは、次式を満たすものとなります。
V = 14.438 * M * f2 * r02
fは、U/V比が0.1678未満でのHF周波数です。
したがって、U/V比を電気的に簡単に変更することにより分解能を変更することが可能なため、さまざまなタスクに対応できます。

直流電圧Uがゼロに設定されている場合、四重極は質量のハイパスフィルタとして機能します。 HFの振幅が小さいうちはほぼすべての質量のイオンが安定状態で検出器に到達します(図2の分解能255)。これは、全圧測定を行う場合にのみ使用されます。 HFの振幅を大きくしていくと、質量数Mが大きくなっていくに従い、質量の軽いイオンは不安定になり、排除されます。 質量数をスキャンするには、Vの値を変え、質量スケールが線形になるようにします。

図2 H2Oフラグメントグループの分解能変化時の違い
Prisma QMS200M2
(F.A=3.74V)にて測定

図3フィールドアクシス電圧を変えてイオン引き込み条件を変えた場合
分解能:25
(QMS200M2にて測定)

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